主に日本の樹木によるウッドフープを制作しています。
フープはヘッドの振動を受けとめ、場合によっては増幅させる役目があります。
ドラムの音にとってヘッド・シェルと並んで重要なパーツです。
厳密にはブロックステーヴ構造と言わないかもしれませんが、無垢材を張り合わせた構造です。
レンガ組みのように互い違いで3層(3ply)※1張り合わせています。
この構造は、木材の持つ強度と音響特性を最大限に生かせると考えています。
middlecentre instrumentsのウッドフープは多角形です。
テンション数×2の多角形が基本となっています。例:8テンション=16角形
middlecentre instrumentsのウッドフープは厚さがあります。※2
これによって強度が上がり歪みが少なくなるだけでなく、リムショットの音量が大きくなります。
フープ自体が歪みなく鳴っているためです。
あらゆる木材から選択可能です。
トップフープのトッププライだけはスティックに負けない硬い材をお薦めしていますが、その他のプライは自由です。
middlecentre instrumentsのウッドフープでは2番目のプライの材が最も重要です。
このプライがヘッドのシャシーとテンションロッドと直接接しているためです。
材の特徴については素材ページをご覧ください。
スネア用のフープは3プライ構成で、標準は35mm厚※2です。
トッププライはスティックに負けない硬い材※3、他の2プライは自由に選べます。
ボトムフープはスティックの影響がないので、3プライ全体で柔らかい材でもOKです。
スナッピーの収まりは、ボトムフープの柔らかさが大きく関わります。
柔らかい材のボトムフープはスナッピーの振動を吸収するため、短く収めることができます。
その代わり柔らかいボトムフープは太い音をもたらすので、シャープな音が必要な場合には適しません。
タム用のフープも基本は3プライ構成です。
タムでのリムショットを使わない場合は3プライとも柔らかい材でも大丈夫です。
バスドラムフープも3プライ構成が基本です。
リムショットの可能性がほとんどないので、3プライとも柔らかい材にすることができます。
バスドラムのフープには、中低域が強く暖かい杉材か、低域から中高域までフラットなヒノキ材をお勧めしています。
もちろんその他の材でのご依頼も承っています。
middlecentre instrumentsのドラムはウッドフープに対応して設計されていますが、
他社のドラムはプレスフープやダイキャストフープを想定して設計されています。
そのため、ウッドフープの場合はストレイナーやラグが干渉してしまう事があります。
木は金属より弱いため、ウッドフープはプレスフープやダイキャストフープより大きくならざるを得ません。
フープの一部を削ることにより、他社ドラムに対応しています。
ウッドフープのストレイナー周りはプレスフープとほぼ変わらない寸法となっていますが、両側スナッピーや特殊構造の場合は追加加工が必要となるかもしれません。
逆に、ストレイナーがフープに干渉しないような深いシェルの場合はフープの厚み等々まで自由にオーダーできます。
以下のサイズとテンション数を標準として用意しています。
タイプ | 口径 - インチ | テンション数 | 備考 |
---|---|---|---|
標準 | 10 | 6 | |
11 | 5 | ※4 | |
12 | 6 | ||
8 | |||
13 | 7 | ※4 | |
8 | |||
14 | 8 | ||
10 | |||
15 | 8 | ||
9 | ※4 | ||
10 | |||
16 | 8 | ||
10 | |||
バスドラム用 | 18 | 11 | ※4※5 |
20 | 11 | ※4※5 |
一般的なプライウッド構造のウッドフープは、スティックによってトップ側が傷つき寿命がある消耗品でした。
middlecentre instrumentsのウッドフープは、トッププライの削り直しや貼り替えを行うことで半永久的に使用する事ができます。
トッププライは5〜6mmの厚さがあります。※6
例えばスティックの打痕が目立ってきた場合は、0.3〜0.5mm程度削った上で成形・塗装を行うことで新品同様になります。
トッププライが残り2.5mm程度になりましたら貼り替えをお勧めしています。
なお、トッププライには非常に硬い材を使用しているので、削り直しはあまり必要ないかもしれません。
オープン価格での提供です。
代表的なフープ1本の参考価格・実勢価格は以下の通りです。2021/11現在※7