ブロックステーヴは、桶のように木材のパネルを張り合わせてシェルを形成します。
middlecentre instrumentsのブロックステーヴシェルは多角形の状態を残しています。
middlecentre instrumentsのブロックステーヴ構造シェルは、必ず木目を縦にして構成します。※1
これは古代からの太鼓類の基本である、くり抜き構造に従った構成です。
木は一般的に縦の力に強い傾向があります。
打面(トップ)ヘッドからの振動をロスなくボトムヘッドへ伝える事ができます。
木材、特に針葉樹(杉・ヒノキ等)は木目に対して横には弱い傾向にあります。
middlecentre instrumentsは、その対処としてシェル厚を厚くしています。
縦横で強度が大きく変わらない材の場合は20〜25mm厚、針葉樹は35〜45mm厚にしています。
横(直径)方向の剛性は、音の歪みに大きく関わります。
剛性が低いと歪むので、小さな音でも迫力が出る反面、強くショットしても変わらなくなります。
同時に音が遠くまで届きません。
歪まなければ、弱打〜強打までのダイナミックレンジが得られる上に、音を遠くまで飛ばす事ができます。
middlecentre instrumentsのブロックステーヴシェルは、テンション数×2のパネルで構成されます。※2
硬度・質量・特性が近い材であれば、オーダーによって混在も可能です。
パネルを接着するだけでは、気候による木の狂い等で接着が剥がれてシェルが崩壊する事もあります。
実際はパネルの接着が剥がれたとしても、エッジが整っていれば音に影響はほとんどありません。
middlecentre instrumentsのブロックステーヴシェルは、エッジ付近への万全の補強を行っています。
シェルの接着には、バイオリン等にも使われる鹿膠(しかにかわ)を使用しています。膠はお湯で溶かして接着を剥がす事ができます。
シェルは消耗品ではないと考えていますので、再接着が可能な膠を採用しています。※3
エッジ付近のみ丸く成形し、シェル中央部は多角形です。
パネル同士の接着面を広く取るのと同時に、補強構造にとって多角形を保った方が強靭になるため、丸めていません。